駿河台

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ベネッセ元SEに懲役3年6カ月

ベネッセホールディングスの顧客情報流出事件で、不正競争防止法違反の罪に問われていた元システムエンジニアに対して、東京地裁立川支部が、懲役3年6カ月、罰金300万円の判決を言い渡しました。


被告側は顧客情報を流出させたことは認めていましたが「営業秘密にあたらない」として、無罪を主張していましたが、大善裁判長は「情報へアクセスできる人数を一定範囲に限定し、秘密保持のため毎年、関係者の研修を行い誓約書を書かせるなどしていた」と会社側の厳重な管理体制を挙げ、営業秘密に当たると判断しました。


弁護側は即日、控訴したようです。


他にも、ベネッセコーポレーションの顧客情報流出事件に関する訴訟については、ベネッセHD株主が、原田泳幸会長兼社長ら現・旧役員6人に対して、総額260億円を賠償するよう求めた株主代表訴訟があり、役員側は請求の棄却を求めています。


個人情報漏洩事件の後遺症

ベネッセの通信教育講座の会員数減少に歯止めがかからないのだそうです。
やはり顧客情報の大量流出事件は大きく影響しているようですが、その後の対応として、ベネッセが「お詫び」として配布する金券が500円というところが、大きく影響しているように思えますね。


この対応を見ると、個人情報に対する価値が500円程度にしか考えていないのかという社風なのだという印象を受けますし、やはり顧客に対する誠意が見られなかったのではないかと思われます。
確かに数多くの会員様がいらっしゃたようですので、500円という金額も馬鹿にすることはできないのですが、そもそもは大切な顧客データを守りきれなかったのは会社側の責任ですし、その部分を考えられなかったのは失敗でしたね。